2024/03/13 17:31


今回は、東京オペラシティアートギャラリーで開催中の企画展をご紹介します。

ガラス好きさんにおすすめな展示です!


Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)


今回の展示は、スウェーデンを拠点に活躍するガラスアーティスト、山野アンダーソン陽子さんの発した「Glass Tableware in Still Life」というプロジェクトを元に構成されています。


プロジェクトの目的は、アートブックを作ること。

アートブックをつくる理由は、実物のガラス作品よりは未来へ長く残るものになるから。

そして、1点ものの絵画とは異なり複製可能で、多くの人に届けることができるから。


山野さんの生きる今を、未来に生きる何人もの誰かに伝えることができるのではないか、と考えたのだそうです。


もうこの理由だけで十分なのではないかというぐらい、冒頭から心を掴まれてしまいますね。

更に、手順が実にユニークです。


1.山野さんが、画家18名それぞれに声をかける。

2.画家は、描きたいガラスを”言葉のみ”で表現する。

3.その言葉を受けて、山野さんがガラスを吹く。

4.完成したガラス作品を、画家が静物画に描く。

5.写真家・三部正博さんが画家たちのアトリエを訪れて、写真を撮影する。

6.最後に、デザイナーの須山悠里さんがそれらをアートブックという形にする。


特に2.の、デッサンやイラストではなく”言葉のみ”で表現するというのが印象的です。

バックグラウンドによって生じる言葉や表現のズレをも楽しみ、作品としての可能性を広げる。その姿勢に惹かれずにはいられません。



展覧会の構成 −言葉・ガラス・絵画・写真–


今回の展示を構成しているものは、作品背景に関する山野さんの言葉、ガラス作品、静物画、写真。


例えばこのグラスは、「花が開く寸前の蕾」「ふっくり」「まっすぐには伸びていない茎」といった画家の言葉から着想を得て、春のようなイメージの作品をつくったのだそう。


こちらは、「フェローシップ(共にすることの意)」というリクエストから、カクテルを混ぜるミキシンググラスを。


着想の豊かさ、感性・感覚の美しさを覚えずにはいられません。


また、デイリーユースしやすそうなクリアガラスが展示されている姿は新鮮でもあり、アートと日常が入り混じる感覚をもたらしてくれます。


はたまた、この作品を見てこの絵画になるのか!といった画家の表現にも驚かされたり。(抽象画は特に面白い)


そしてこの展示で忘れてはいけないのが、ガラスの持つ光豊かな表情のみならず、その場の空気感をも閉じ込めた、モノクローム写真の数々!

空間全体の静寂で凛とした雰囲気は、この写真の持つ力が大きかったのではないかと個人的に思います。


空間で言うと、ガラス、様々なタイプの静物画、写真が、一つの空間に見事に共存している様子もまた、素晴らしく感じました。


各作品、構成内容、空間演出、全てが相まって、特別な鑑賞体験を得ることができると思います。

そして、新しい角度からガラスの魅力を再考することができるかも。


開催期間は3/24までと残り僅かではありますが、ご興味のある方は是非訪れてみてくださいね。



インテリアにピッタリな展覧会グッズ


グッズの数は多くはありませんが、お部屋のインテリアにしたくなるようなラインナップ。(Tシャツもすごく可愛いかった!)


私は、写真入りの台紙に別添えのカレンダーを掛けて使うという、斬新なカレンダーをゲットしました。

気分にあわせて写真を選び、飾ることができるなんて最高…!写真は、三部さんがベルリンで撮影したアザーカットで、これまた素敵です。


東京オペラシティのミュージアムショップは、書籍やインテリア性の高いグッズが並んでいて、すごくおすすめです。展覧会とあわせてチェックを!



吹きガラスの雑貨


展覧会の中で「歪みが美しい」という山野さんの言葉もあったのですが、本当にその通りと思います。


均一で整った感じのガラスも好きですが、大好物なのはやっぱり、ちょっとぽってりしていて手仕事ならではの温かみが感じられるガラス。


最後に、”歪みの美しさ”をテーマにおすすめアイテムをご紹介します!



ガラスアイテム、これからも力を入れてセレクトしていくぞ!

ではでは、また次回もお楽しみに。 Heartley店主 Kanako