2024/06/16 12:54

お久しぶりのブログ更新です!


唐突ですが、皆さんご飯はお好きですか?

食べるのはもちろん、お料理するのが好きな方もいらっしゃるかな?


どちらも大好きな店主ですが、最近読んだとある本で、料理欲、美味しいご飯を食べたい欲がふつふつと上昇しております…


ということで今回は初のジャンル、本の紹介!


井上荒野(いのうえあれの)さんの小説、『キャベツ炒めに捧ぐ』(2011年出版(2014年文庫化)/角川春樹事務所)です。



『キャベツ炒めに捧ぐ』あらすじ


舞台は東京私鉄路線の小さな町にある、ささやかな商店街。

お惣菜屋さん「ここ家」では、陽気なオーナ江子(こうこ)と、無愛想な麻津子、控えめな郁子の3人が働いています。


3人の女性は皆60代前半。メニュー名になった各章では、食べ物と共に彼女たちの過去と現在が描かれていきます。


苦い想いも幸せな記憶も抱えながら、今日も元気に美味しい料理を作る。

そんな彼女たちの愛しい人生を描いた作品です。



心がよろこぶ料理の数々


とある日の「ここ家」のメニューを覗いてみましょう。


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今日のラインナップはそのほかに、茄子の揚げ煮、茸入り肉じゃが、秋鮭の南蛮漬け、蒸し鶏と小松菜の梅ソース、豚モモとじゃがいもの唐揚げパセリソース、白菜とリンゴとチーズと胡桃のサラダ、さつまいもとソーセージのカレーサラダ、それに定番のひじき煮とコロッケと浅漬け各種を加えて、全部で十一種類。朝六時から仕込みをはじめて、午前十一時過ぎには全品がショーケースに並ぶ。

(井上荒野『キャベツ炒めに掲ぐ』「新米」より引用)

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ここに、白米だけでなく日替わりの味付きごはんが一日一種類。(この日は茸の混ぜご飯。茸と牛コマを炒め醤油とみりんで味付けしたもの、バターひとかけらを、炊き立てのごはんに混ぜる。青ネギも最後に散らして。)


あぁ、よだれが出そう…季節の味わいを楽しめる豊富なラインナップ、手の込んだ家庭の味は、言葉だけでも美味しいことが伝わってきます。


様々な大人の事情が描かれる中でも、この本を読んでいてどこか幸せな気持ちになるのは、素敵なお料理がこれでもかと登場してくれるからに違いない!


出てくる食べ物だけでも十分に楽しめてしまいますが、この本の魅力は他にもあります。



人間らしさが滲み出るアラ還女性たち


本の中で”人生はままならない”と表現されるように、痛々しい、苦しいエピソードもしばしば。


「きゃははは」と明るい江子だって受け入れがたい現実にうまく笑えないことだってあるし、いつもクールな麻津子だって実は切ない恋に心悩ませている。


胸が痛い瞬間もありますが、そんな時でも美味しい食べ物と、くすっと笑える3人の楽しげなやり取りとが織り交ぜられた物語は、「よし明日も頑張ろう!」という気持ちを運んでくれるのです。


読み心地の良い文体も相まって、健やかな気分で読み進められるはず!

食べ物・お料理好きさんだけでなく、癒し、励ましを得たい方にもおすすめな一冊です。



食と生活を楽しむこと


『キャベツ炒めに掲ぐ』を通して、生活、ひいては人生とも切り離せない”食を味わう”ということを、今一度大切にしていきたいと感じたのでした。


なかなか余裕の持てない毎日でも、顔がほころぶ瞬間を増やしていきたいですよね。

Heartleyもそのお手伝いができますように!!


では最後に、ほっこり系のキッチン雑貨をご紹介して終わりますね。


 


ジャパンヴィンテージのストーンウェアは、北欧系のアイテムとも相性抜群です!

キッチン周りのアイテムはかなり少なめな当店ですが、またちょこちょことセレクトしていけたらいいな。


本の紹介ということで、画像もなく読みづらかったかもしれません(ごめんなさい…)。


ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます!また次回もお楽しみに。

Heartley店主 Kanako